ガスだらけを突き抜けて（ツーリング4日目）

　9時に宿を出発。帯広から釧路へ。国道はずっと60キロくらいで流れていて、昼時に釧路に着いた。名物・和商市場の勝手丼（ご飯の上にイクラ・ウニなどのお好みの具を載せられる）を食した。ライダーがたくさん来ていたがみんなツーリングのチームの人ばかりだった。ハーレーがやたらと多くて、俺にゃ居づらかったね。そんでもってハーレー乗りの女性は外見マニアックだ…。それから郊外に向かい、有名な釧路湿原を訪れた。しかし到着直前にガスが出て、全く前が見えない状態。湿原なんて何も見えなかった。全くの無駄足となり哀しかったぜよ。北上していると天気が良くなった。屈斜路湖と摩周湖の景色を期待し、いざ到着してみるとやはりガス。なーんにも見えねぇ…。面倒臭くなって開陽台もパスっていうか日が落ちたから諦めた。半分ふてくされてアクセル全開で標津町のライダーハウスへ。完全に日が落ちた国道は街灯一つなくめちゃくちゃ怖かった。
　宿には先客が。グラストラッカーの兄さんとチャリダーの雅さん（日本一周中）。彼らと人生や社会、更には政治について深夜遅くまで語ってしまった。特に雅さんの体験談が楽しかった。実感のこもっている話が好きだから。俺は彼に魅力を感じたので武田泰淳の『ひかりごけ』をプレゼントした。なんて言うか自分と全然違う人生を送ってる人の話は面白いよな。ちなみに五右衛門風呂初体験。真っ暗闇の中、オホーツク海と漁船、時折見える国後島を見ながらゴエモン。風流なんだけど一歩間違ったら怖い風景だった。だって電気とかなくて本当に真っ暗闇の中、国境を臨んでるんだもの。あっちはロシアなんだぜ。