夕日よ、鮮やかな夕日よ（ツーリング5日目）

　先日はおそらく深夜3時ごろまで話し込んでいたはずなんだけど7時過ぎに起きられた。昼夜逆転生活の俺にしてはたいしたもんだ。二段ベッドから這い出すとグラストラッカーの兄さんは既に出発していた。チャリダー雅さんはまだ居たので小1時間話をした。その際、連絡先等の交換をした。それで一緒にライダーハウスを出発。チャリとバイクだからすぐバイバイしたけど。
　標津から知床半島へと北上。朝のオホーツク海から靄が立ち上って国道が煙っていた。武田泰淳『ひかりごけ』に登場していたマッカウス洞窟へ行った。本当にひかりごけがあったよ。『ひかりごけ』（人肉を食した者にはひかりごけそっくりのうすい緑の輪っかが見える）を読んでいたから、ちょっと怖かった。それから知床峠を羅臼からウトロ側へ抜けた。峠で見える羅臼岳は綺麗とかいうより巨大で恐ろしかった。それから知床半島西側を北上。知床五湖へ。駐車場は有料で単車は100円なり。ライダーのためにバイク専用駐輪場を設けるあたりが北海道だよな。一人で湖畔を散歩だから熊が怖くてちとびびりながら歩いた。しょっちゅう熊が出るんだってさ。1時間トレッキングしてお次はカムイワッカ湯の滝へ。アメリカンバイクで砂利の林道を11キロも走るのは辛かったな。道が悪いし30キロ出すので精一杯だったよ。苦労して着いたカムイワッカの滝だけど、めっちゃ人で賑わってた。女の子が多いのにびっくり。川に入って沢登りをしていると川の水（湯？）がだんだん温かくなっていくのが分かるんだよ。いやぁ、すごいね。天然の温泉。滝壷が湯船になっているのだけど、あまりに人が多いから水着着用の決まりはないのに全員水着着用。だから水着のない人はみんな足湯だけ。みんな素っ裸で入ればいいのに。俺はこういう事態に備えて水着を持っていたから一人でざぶざぶ入ってたよ。どいつもこいつも集団で群れていて、一人で楽しんでいる奴なんて居やがらねぇ。みんな人の目気にしすぎだぜ、ベイベー。楽しまなきゃ。
　今日は網走湖かサロマ湖の湖畔に泊まりたかったからとにかく西走した。釧網本線藻琴駅の駅内にトロッコって喫茶店がある、そこで昼飯。流氷ラーメンというなんだかよく分からんけど話の種にはなりそうな品を食した。素材は美味しいけど…。ってかんじ。そりゃそうだよな。1300円くらいもするんだもの。カニやホタテ等海の幸をぽんぽんラーメンに放り込んでんだよ。塩バターのスープは決してまずくないけど、うまいって叫ぶには至らぬ。宿は網走湖畔「夕日の家」に。風呂まで時間があったので網走湖畔を散歩して夕日の写真をパチリ。岐阜ライダー二人（Dトラッカーとボルティー）と一緒にログハウスへ泊まることとなって色々旅の話をした。風呂も共に入った。今夜もゴエモン風呂。二日連続ゴエモンなんて奴はあんまり居ねぇだろな。俺はサウナが苦手なんだが、薪で炊くサウナはなぜだか気持ちよくてびっくり。
　風呂上りに食堂にて宿の女主人と使用人（？）おっさん、岐阜ライダー二人、女旅人二人で食事。俺は昼食が遅かったのでウインナーコーヒーのみ。食後写真撮影をした。なんだか人にほだされたのか笑顔が決まる！俺は無愛想な筈なんだけどな。まぁ、楽しんだ者勝ちだから、笑っとけ、笑っとけ。笑ったもん勝ちや。女主人がいとこの母に似ていた気がする。陽気で元気で面倒見が良くて…。姉御肌って感じかな。以前はこういう姉さん嫌いだったけど、最近このタイプに限らず、色んなタイプの人間と関わるのが苦痛でない。進歩なんかな。「イイコト」なんでしょうな。