或る誕生日

Aサークルでごはんをした。
R子ちゃんの誕生日会を兼ねて。
僕は最近忙しすぎて
今回参加するのさえ実を言えば苦しいくらいだった。
時間が足りない。
僕は卒論とか大学の勉強にフル回転してたので、
準備は双葉ちゃんと金ちゃんに任せた。
そのためこの二人は2次会のお茶から参加した。
全員で7人集った。
僕は最近精神的によろしくない状態なので
集団で積極的に和気藹々とはしなかった。
波が激しいんだよ。
私生活の方で嫌なことがあったし。
そういう時は自分からはあまり話したくない。
誰かがしゃべってるのに頷いている方に流れてしまう。
この日記では暗くなっているけど、
その場では自分なりのことはした。
日記は部外者も読むから、今日の出来事は語るまい。
演出もちゃんとしたし、みんな盛り上がった。

僕は武田泰淳『滅亡について』をプレゼントした。
これは勿論絶版本。
本の価値を知らない人はどんな本だろうが、
本は本としか見ないから、
さっぱり分かんなかっただろうけど。
絶版になって10年以上経ったものは古本屋巡りをしても
インターネットで探してもなかなか見つからないものだ。
勿論ブックオフとか大衆が古本屋だと
思っているニセの新古本屋なんかにはあるわけがない。
ブックオフはそれはそれで価値があるけど、
ブックオフはブックオフでしかあり得ないよ。
掘り出し物という名のお得なものは売ってあっても、
真の宝物はないから。
そんなこんなで当時の定価より3倍くらいの値で
入手した泰淳の本をプレゼントした。
彼女だけは価値が分かっているので
やってもいいと思ったから。

ある女の子に日付が5日へと変わる少し前にメールを送った。
その子も誕生日だったのだ。
自分のメールが気に入ってしまったので、書き写しておこう。
僕は自己愛と自身への執着が強い。