多様性（能勢）

睡眠時間90分、電話で叩き起こされる。
これは頼んでいたことだからいいんだけど。
今日は軽〜くちょい乗りの日。
とある大阪の山奥にあるログハウス風のお店に行く約束をしていたもので
R子ちゃんに会うことになっていた。
彼女と行ったお店だから他の人と行くのは気が引けるということで誘うことに。
お店は交通機関が何も通っていない場所
――京都府、兵庫県、大阪府の境目あたりにあるからバイク2台でお出かけ。

お互いにニューマシンに乗り換えていたわけでなかなか楽しかった。
京都市→亀岡市は平均60キロくらいしか出せなかったけど国道9号線を外れると快調だった。
今日は本当に暑かった。
バイクにはエアコンがないしエンジンが足元にあるから
熱がもわもわと上がってくるわけで信号待ちしていると余計に暑い。
昼前、道路の気温表示で28度だ。
暑いから涼しくなろうとスピードを出す。
兵庫県に入る頃は平均80〜90キロくらい出していた。
それが気持ち良くて。
でも僕は結構敏感だからネズミ捕りの雰囲気をすぐに察知して法定速度まで減速する。
ネズミ捕りってトンネルを出てしばらくのところとか、
直線が始まって少しのところとかに潜んでいることが多い。

PPC――目的のお店、は大阪府能勢町にある。
前回（11/23）から期間が空いていたのにオーナーの奥さんは我々をよく覚えていてくれた。
よほど印象に残っていたのだろうか。
第一声が「よほどその席がお気に入りなんやねぇ」
こう言われてすぐ返答。
「覚えていてくださったんですね」
「で、もちろん卒業してへんな？」
「はい…、ははは（苦笑）」

奥さんはアメリカに住んでいたこともあってか、会話の流れがアメリカナイズの関西風味。
普通に聞いたら失礼に当たることでも堂々と聞いてくるからこっちもついつい答えてしまう。
それでも全然嫌味がなくユーモアだから嫌じゃない。
前回は客が少なくて旦那さんや娘さんとも少し話ができたのに、
今回は客がいてそれほど会話できなかった。

お店は旦那さんが丸太で作っていて、週末増築中。
変わっていたところは店内のテーブルの配置と駐車場。
駐車場がコンクリートで固められていた。
バイクはスタンドを立てないと駐車できないからこれはありがたい。
特に素人（僕じゃない）は砂利に焦るから。

帰りはもっと暑くて道路の温度表示が33度。これは暑すぎる。
ガソリンスタンドで燃料補給したところ燃費はリッター18キロくらいだった。
そのスタンドの店員のおっちゃんがバイクに興味津々で話し掛けてきた。
「大きいバイクですなぁ。1000いくつです？」
「いや400ですよ」
「ほーー1400もあるんですか」
「いやいやただの400ですよ」という会話。
話し掛けてくる店員さんは大抵以下の通り。
?昔は乗っていた。?今も乗っている。?家族が乗っている。
?バイクは危険だから気をつけて！?良い旅を！
これらのどれかだ。
今回は?で
「息子がバリオス?ってやつを買いましてん。
ローンなんか組みやがって働いてばっかりで乗る時間があらへんて…（略）」と。
「バリオスは250で小さいですけどあれはアクセル回しこんだら早いですからね」
そう返しておいた。
このおじさんすごく話したかったんだろうけど帰りを急いでいたのと
R子ちゃんが歩道で待っていたのとで早めに切り上げた。

京都市内に帰ってくると2軒ほどバイク用品のお店でウェアとかを物色。
R子ちゃんは僕といると物がたくさん欲しくなるらしい。
僕はこう返した。
「負けず嫌いで、すぐ俺に対抗しようとして張り合うからちゃうんか」

夕暮れ時のどが渇いてファミレスに入った。
そこで色々話をして楽しかったけど睡眠不足で疲れた。
僕は付き合っていない女性（女友達）が話し相手として一番盛り上がる。
ついでに気が楽。
怒らせても友達同士だから特に不利益こうむるわけではないし。
ふてくされたりされないから。
ところがお付き合いする恋人となると男が悪くなくても責任を取らされるということが
度々出てくるわわけで正直面倒くさい時もある。
情緒不安定な時は特に注意が必要。
相手が悪くても責めることもできないし、
「自分は大切にされるべきもの」という勝手な期待を裏切ると不機嫌になり逆ギレを起こす。
そんな時は女なんていない山奥で遁世をしたい気分。