俗と共に歩む知性―トーク番組によせて
2004年4月27日 日記・雑記「童貞喪失は保護する価値がない」
「王様ゲームは保護しよう」
これなんだと思いますか?
関西ローカルのテレビ番組で面白いのをやってるんです。
出演はますだおかだ(お笑い)あびる優(アイドル)
室井佑月(芸能人、コメンテーター、作家)宮崎哲弥(評論家)
という関西にしては豪華な顔ぶれ。
かなり面白い組み合わせに思えます。
彼らが毎回○○は社会に必要か(保護しなきゃいけない)を論じるトーク番組です。
前掲の童貞喪失はちょっと前の放送での議論でしたが、
童貞喪失はいかに女に騙されようとも女が男に賠償する価値などはない、らしいです。
アホらしいことを本気で考える番組って素敵です。
ところでNHKのしゃべり場が別の意味で極めてアホらしいのは、
どうでもいいことをどうでも良くないと錯覚し必死に議論する様が幼稚で醜いからですね。
そこには反論の可能性すら与えない者もいますし、
生きていることに精神的余裕がなく自己完結的で議論に向いていないからです。
今回の放送は滅んでいく「王様ゲーム」を保護するべきかどうかでした。
最初はますだ(保護しない)おかだ(保護する)優(保護する)
室井(保護しない)宮崎(保護しない)だったでしょうか。
室井と宮崎は合コンも大嫌いだと言っていて、宮崎はしたこともないみたいです。
そんなんじゃ議論してもダメだということで、
突如このメンバーで王様ゲームをしようということになりました。
一回目は優が王様で室井がますだに投げキッスしました。
ますだが気持ち悪がってみせてその表情と動きはさすがでした。
二回目はますだが王様で
「2番と3番がチューや」「王様の命令は絶対やぞ」と言いました。
宮崎は突如席を立ってやってられるかという態度。
彼は3番なのでした。
政治議論では切り込み鮮やかな語り口を、お笑い番組やトーク番組では
ユーモアを披露してみせる若き知性のこの態度、初めて見ました。
宮崎がこの俗物どもとどのように番組をやっていくのか
番組開始から期待していた僕は今夜最高潮に達しました。
王様ゲーム自体かなりどうでもいいんですが、
宮崎が実感を持って俗物と対峙する様を見ることが僕にはすごく楽しみで、
テレビでドキドキしたのは久しぶり。
「宮崎キレる」というテロップも出てきて僕は更にわくわく。
宮崎さんの困っているところが見られて嬉しいなんてサドですか?
彼は自称「良識派」ではないですが僕から見たらもの凄く現実を踏まえた良識派です。
彼は3番の割り箸を持っていたのですがそれを放り投げる様は本当に不機嫌そうで…。
おぉ、どうなるんだ!と楽しくて仕方がなかったですね。
彼は最初から王様ゲームを嫌がっていましたからやらなきゃ良かったんですが、
番組的にやらざるをえなかったんでしょう。
もしかしたら自分には被害がないかもしれない、
やり過ごそうと思っていたのに、自分にキスの命令が!なんてこった、
なんて心理だったのでしょうね。
追い込まれた彼はだからやりたくなかったんだよと思って
席を立ってしまったんでしょう。
因みに2番は優が持っていたので、
普通に考えたらアイドルとキスができるおいしい役目なのですよ。
優は宮崎の動向にきょとんとしていてこれまた面白かった。
人生経験豊かな室井の瞳は「宮崎さんったらもう」と言っているようでこれまた面白かった。
ますだはそれにしても意地悪でわざと宮崎を怒らせてみたんでしょうね。
俗物の意地を感じました。
ますだはお笑い芸人らしい鋭さを持っています。
おかだは何もできず笑っていましたね。ま、彼のいいところです。
しばらくして宮崎は席へ戻ってきました。
ますだはまだキスしろと騒ぎたてました。
宮崎は「絶対に嫌だ」と叫びました。
そこでますだの放った一言が素晴らしい。
「ほらみろ、だから嫌やねん。「嫌」って言ったらそれだけで場がしらける。
だから(王様ゲームは)保護しなくていいんや」
ますだの計算ずくのこの行動と度胸は素晴らしい。
最後の審判。
ますだ(保護しない)おかだ(保護する)優(保護する)
室井(保護しない)宮崎(保護する)でした。
宮崎だけが翻ったのです。
みんな「あれっ?」と宮崎の方を見ると、彼はいつも通りに戻って言いました。
「最近の男女のコミュニケーションは空疎化しているからあれくらいのことがあった方がいい」
夫婦別姓やジェンダー論などにも言及してきた宮崎らしい
知性に溢れる言葉をいくつか続けました。
言葉を言い終えたかと思うと彼はテーブルに頭をつけんばかりにして
「この番組は勉強になります」と笑いながら言いました。
彼は降参したのでした。
スタッフや出演者の笑う声が聞こえる中彼も笑っていました。
僕は改めて宮崎を立派だと思い、ますます彼に惚れるのでした。
あれほど見事な降参の仕方のできる評論家はいないでしょう。
彼のバランスの良さは次の言葉にあります。
「噂の真相」と「○○」(多分「諸君」「正論」とか)の間にしか真実はない。
片方だけで物事を判断できない。
「王様ゲームは保護しよう」
これなんだと思いますか?
関西ローカルのテレビ番組で面白いのをやってるんです。
出演はますだおかだ(お笑い)あびる優(アイドル)
室井佑月(芸能人、コメンテーター、作家)宮崎哲弥(評論家)
という関西にしては豪華な顔ぶれ。
かなり面白い組み合わせに思えます。
彼らが毎回○○は社会に必要か(保護しなきゃいけない)を論じるトーク番組です。
前掲の童貞喪失はちょっと前の放送での議論でしたが、
童貞喪失はいかに女に騙されようとも女が男に賠償する価値などはない、らしいです。
アホらしいことを本気で考える番組って素敵です。
ところでNHKのしゃべり場が別の意味で極めてアホらしいのは、
どうでもいいことをどうでも良くないと錯覚し必死に議論する様が幼稚で醜いからですね。
そこには反論の可能性すら与えない者もいますし、
生きていることに精神的余裕がなく自己完結的で議論に向いていないからです。
今回の放送は滅んでいく「王様ゲーム」を保護するべきかどうかでした。
最初はますだ(保護しない)おかだ(保護する)優(保護する)
室井(保護しない)宮崎(保護しない)だったでしょうか。
室井と宮崎は合コンも大嫌いだと言っていて、宮崎はしたこともないみたいです。
そんなんじゃ議論してもダメだということで、
突如このメンバーで王様ゲームをしようということになりました。
一回目は優が王様で室井がますだに投げキッスしました。
ますだが気持ち悪がってみせてその表情と動きはさすがでした。
二回目はますだが王様で
「2番と3番がチューや」「王様の命令は絶対やぞ」と言いました。
宮崎は突如席を立ってやってられるかという態度。
彼は3番なのでした。
政治議論では切り込み鮮やかな語り口を、お笑い番組やトーク番組では
ユーモアを披露してみせる若き知性のこの態度、初めて見ました。
宮崎がこの俗物どもとどのように番組をやっていくのか
番組開始から期待していた僕は今夜最高潮に達しました。
王様ゲーム自体かなりどうでもいいんですが、
宮崎が実感を持って俗物と対峙する様を見ることが僕にはすごく楽しみで、
テレビでドキドキしたのは久しぶり。
「宮崎キレる」というテロップも出てきて僕は更にわくわく。
宮崎さんの困っているところが見られて嬉しいなんてサドですか?
彼は自称「良識派」ではないですが僕から見たらもの凄く現実を踏まえた良識派です。
彼は3番の割り箸を持っていたのですがそれを放り投げる様は本当に不機嫌そうで…。
おぉ、どうなるんだ!と楽しくて仕方がなかったですね。
彼は最初から王様ゲームを嫌がっていましたからやらなきゃ良かったんですが、
番組的にやらざるをえなかったんでしょう。
もしかしたら自分には被害がないかもしれない、
やり過ごそうと思っていたのに、自分にキスの命令が!なんてこった、
なんて心理だったのでしょうね。
追い込まれた彼はだからやりたくなかったんだよと思って
席を立ってしまったんでしょう。
因みに2番は優が持っていたので、
普通に考えたらアイドルとキスができるおいしい役目なのですよ。
優は宮崎の動向にきょとんとしていてこれまた面白かった。
人生経験豊かな室井の瞳は「宮崎さんったらもう」と言っているようでこれまた面白かった。
ますだはそれにしても意地悪でわざと宮崎を怒らせてみたんでしょうね。
俗物の意地を感じました。
ますだはお笑い芸人らしい鋭さを持っています。
おかだは何もできず笑っていましたね。ま、彼のいいところです。
しばらくして宮崎は席へ戻ってきました。
ますだはまだキスしろと騒ぎたてました。
宮崎は「絶対に嫌だ」と叫びました。
そこでますだの放った一言が素晴らしい。
「ほらみろ、だから嫌やねん。「嫌」って言ったらそれだけで場がしらける。
だから(王様ゲームは)保護しなくていいんや」
ますだの計算ずくのこの行動と度胸は素晴らしい。
最後の審判。
ますだ(保護しない)おかだ(保護する)優(保護する)
室井(保護しない)宮崎(保護する)でした。
宮崎だけが翻ったのです。
みんな「あれっ?」と宮崎の方を見ると、彼はいつも通りに戻って言いました。
「最近の男女のコミュニケーションは空疎化しているからあれくらいのことがあった方がいい」
夫婦別姓やジェンダー論などにも言及してきた宮崎らしい
知性に溢れる言葉をいくつか続けました。
言葉を言い終えたかと思うと彼はテーブルに頭をつけんばかりにして
「この番組は勉強になります」と笑いながら言いました。
彼は降参したのでした。
スタッフや出演者の笑う声が聞こえる中彼も笑っていました。
僕は改めて宮崎を立派だと思い、ますます彼に惚れるのでした。
あれほど見事な降参の仕方のできる評論家はいないでしょう。
彼のバランスの良さは次の言葉にあります。
「噂の真相」と「○○」(多分「諸君」「正論」とか)の間にしか真実はない。
片方だけで物事を判断できない。
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