僕はあまりバスに乗らない。
バイクと折りたたみ自転車を持っているし、地下鉄の駅が近所にあるから。
それに加えて片道5キロ程度なら平気で歩く。
お金の節約にもなるし健康にもいいからね。

バスに乗るのが珍しいから緊張して周囲を見回してしまう。
座席は全部埋まっていて運転席の近くのつり革を持って立っていた。
バスはぎゅうぎゅう詰めだった。
僕の目の前には座席がふたつ空いていた。
その前に高校生が3人。
銀や金の安いメッキで作られたネックレスやチョーカーが気になる。
言うまでもなく「腰ではくパンツ」だ。
彼らはチビで坊主で色黒。
どうもガラの悪い野球部員らしい。
彼らは2つの空席の前に立ちはだかっていかつい表情を作っていた。
誰も声を発さず押し黙っている。
突然ボス格の坊主が残りの2人に目で合図する。
すばやく全員が動いてお年寄を席につけた。
ほほぅ、こいつらやるなぁ、僕は感心した。
社会的弱者以外、誰にも坐らせまいとしていたのだ。
約30分バスに乗っていたのだけど、彼らは合計4人に席を譲りつづけた。
「次で降りますから」老女に断られると彼女のことは諦め、
また別の人を待っている。
僕はポリシーがあって堂々とした「不良」は好きだ。
最後の最後まで彼らは一言もしゃべらずに下車した。

譲るくらいなら…と普段は最初から坐らない座席。
帰りのバスで僕は不良と同じことをしてみるためわざと優先席に坐った。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索