町田康『きれぎれ』文春文庫
とうとう語りは時空間を超えたか。
現代文学に語りを持ち込んだ功績は
昨今の芥川賞作家と一緒くたにされちゃ困るね。
彼こそが新しいことをやっているようでその実伝統的な作家だよ。
辻仁成のバンド、柳美里の演劇、阿部和重の映画…、と
文学畑以外の作家が珍しくなくなった現在だけど
町田康ほどに作家以前の活動が有名で評価されている人物もいないだろう。
ただ、たかがパンクロッカーとして読むと痛い目見るぜ。
絵描きの「俺」の趣味はランパブ通い。高校を中途で廃し、浪費家で夢見がちな性格のうえ、労働が大嫌い。金に困り、自分より劣る絵なのに認められて成功し、自分が好きな女と結婚している吉原に借りにいってしまうが……。現実と想像が交錯し、時空間を超える世界を描いた芥川賞受賞の表題作と他一篇を収録。解説・池澤夏樹
とうとう語りは時空間を超えたか。
現代文学に語りを持ち込んだ功績は
昨今の芥川賞作家と一緒くたにされちゃ困るね。
彼こそが新しいことをやっているようでその実伝統的な作家だよ。
辻仁成のバンド、柳美里の演劇、阿部和重の映画…、と
文学畑以外の作家が珍しくなくなった現在だけど
町田康ほどに作家以前の活動が有名で評価されている人物もいないだろう。
ただ、たかがパンクロッカーとして読むと痛い目見るぜ。
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