若さと愛想は武器（第2回北海道ツーリング16日目）

ヒッチハイカーS君は所持金が1000円切った状態で
知床半島の羅臼方面へ行きたいと言うが、
食事にも事欠く状況で見ていられなかった。
そこでNさんがカンパを思いついて実行に移した。
1000円ずつ。
彼への投資だと思えば、吝嗇な俺でもさすがに払える。

バイク屋に一人で顔を出し、
奥さんに挨拶とお詫びをすると主人も現れ、また来いと言ってくれた。
機嫌直ってて良かったとかそんな小さなことじゃなく、
意外に好かれてたのが嬉しかった。
というのも値切ってもないのに用品を半額（万単位で得した）
にしてくれたりとか好意をいただいたから。
それが証明されたのはT君半額にしてもらえなかったのとか、
挨拶しに行っても主人が出てこなかったこととか。
単純に得した、で終わらせずに俺も好意で返したく思う。
色々な形で。

昼に出発。
アホバロンでチェーンとかの油を差してもらった。
そこで何かの会社の営業マンと出会いアドバイス（愚痴？）を聞かせてくれた。
帯広方面は気をつけろ、2回も速度違反で捕まっちゃったよ。

ペンケトウ。
双湖台から望むと湖が北海道の形に見えるとか見えないとか。
そう言われると見えないこともないが…。
おじさんライダーと記念撮影した。

阿寒湖（駐車場有料）は雰囲気が観光地然としてて楽しくなさそうなので
雰囲気だけ味わってスルーした。

そこから更に内陸へ北上。
またでっかいシカが飛び出し。
思わずクラクションを鳴らすとシカもビックリして翻って逃げた。
シカで騒ぐなって思う人も多いだろうけど、
奈良や厳島のシカよりずっとでかいから。
シカとぶつかったら大怪我するよ。
それにしても危なかった。
ぶつかるまで2メートルくらいしかなかった。

今夜は道の駅にある列車が宿。
ごはんは道の駅のお蕎麦屋さん。
一発でライダーと分かる格好をしてたら、おばさんが話しかけてきて、
愛想よく話してたらトウキビをくれた。
「今日初めての食事だったんです」なんて言ったからかな。
絶食ライダーって結構普通なんだけど。
使うところでは使うけど使わないところではケチるから。
おばさんはトウキビをわざわざレンジで温めてくれた。
若い男であることはここらへんで役に立つ。
25歳で若い？と思われるかもしれないが、
おばさんが若い男だと言ってくれるんだからいいでしょ。

列車内には他に東京ライダーがいた。
俺、どうも東京生まれ東京育ち且つ旅慣れしてる人で
性格がクールって合わないや。
こっちが下手に出てしゃべりたいことを聞き出してあげると
彼らは気の良いお兄さんになっていくし、
俺も情報の入手や人間の観察において楽しいので付き合う。