原付で山陽を巡る旅・4日目(その1)
2004年11月6日 観光や旅尾道の中学校に転校してきた一美(小林聡美)は、幼なじみの一夫(尾美としのり)と再会。しかしその直後、ふたりは神社の階段から転げ落ち、そのはずみで心と身体が入れ替わってしまう…。 山中恒の『おれがあいつであいつがおれで』を原作に「映像の魔術師」大林宣彦監督が故郷・尾道でオールロケを敢行して完成させたジュヴナイル…
8時に生口島を脱出。
因島に渡った。
小高いところにある水軍城の石段を上った。
島々を巡ると制海権って重要だったことを実感させる。
それにしてもいつから
「因島=ポルノグラフィティの島」ってことにされたんだろう。
バカバカしい。
ちなみに現在は知らないが
因島市は日本で唯一の一島(プラスα)を中心とした市である。
因島大橋を渡って向島へ渡る。
大林監督の「転校生」が好きだった俺はロケ地のひとつ立花海水浴場へ。
そこからは村上水軍拠点の余崎城跡が見えた。
そこから一転上り坂を行くと高見山の入り口。
高見山頂上はおそらく稼働していないだろうリフトがあって哀しかった。
尾道水道が見えた。
そこにはしまなみ海道と尾道大橋。
人工的なものの移り変わり。
尾道駅近くに原付を置いて尾道探索を開始した。
知己が住んでいる街だが連絡すると引き止められるので秘密にして歩き回った。
これはおとといの福山も同様だった。
御袖天満宮。
天満宮のネーミングから菅原道真に由来することが分かる。
ここも「転校生」のロケ地。
少年少女が長い石段から絡み合って落下する場面の。
上りきると息が切れた。
写真だけとって去るのはバカのやることなので参拝をした。
石段を振り返るとお誂えの状況が発生。
お姉さんが石段の上で休んでいるではないか。
このお姉さんを後ろから押して
一緒に落ちたら女になれるかもしれない…、なーんてね。
その前に傷害罪で捕まるのがオチ。
猫の細道とか恋人のなんとかやら色々な路地を通って
千光寺への道を上っていった。
坂の町といえば長崎とかも行ったが尾道も相当にきつかった。
息が切れそうになりながら見つけた
中村憲吉旧居はひっそりしていて気に入った。
そこから少し上ると千光寺だった。
かつて広島のお化け番組(驚異的な視聴率なこと)は
ここからの夜景を毎晩映してたな。
司会者が代わってからさっぱりらしいが。
千光寺は完全に観光地化されててあんまり好きになれなかった。
尾道文学記念堂。
ここの展示は嫌いじゃなかった。
林芙美子のものは特に良かったし。
でも俺はここが嫌い。
というのもここの施設で働いている人間が
若者をバカにしてるのに加えて文学観が狭い旧弊の存在だから。
俺をどんな奴かも知らずに最近の若者は本を読まなくてバカだ
みたいなことを遠まわしに言いながら
「(知らないなりに)せめてこれだけでも覚えて帰ってね」
と一言で終わるありがた迷惑なバカにした説明をしたり。
大体、大衆小説を読むタイプじゃないんだ俺は。
大衆小説家を知らなかったくらいでバカモノの仲間に入れるなっちゅーの。
じゃあ、お前は文学を何だと思っているんだ。
俺は文学観の狭い人間は大嫌い。
こういう施設の従業員は特に嫌い。
例えば林芙美子に詳しかろうと
それは丸暗記の観光ガイドさんと一緒で文学観は薄っぺらい。
本当に頭の良い人と偏差値優等生の違いみたいなもんだ。
じゃあおばさん村上春樹や村上龍や山田詠美や江國香織について話せるか?
話せないだろうどうせ。
上記だって俺の押し付けだからな。
せいぜい話せても尾道に縁のある林芙美子や志賀直哉文学程度だろう。
文学を語るなら「文学」って領域に意識的でないといけない。
自分の信じている狭い「文学」を他人に押し付けて
他人を図るなんてバカのやることだ。
それとまた「最近の若者は」ネタを続ける。
「最近の若者は歴史に興味がないでしょ?」
要するにバカにしてるわけだ。
俺が史学やっているのも知らないくせに。
ババア「これは新撰組に由来してて(云々…省略)」
俺「あのー、京都から来てるんですけど。しかも広島出身だし」
ついでに歴史小説と史学を混同しているバカさ加減も
指摘してやろうかと思ったけど、
おばちゃんに恥じかかせても得にはならないし俺も品が悪くなるのでやめた。
とにかく繰り返す。
俺はバカが嫌いだ。
以下は真のバカだ。
知的ぶっているのに知的怠惰がある者。
2流3流なのにそれを自覚できていない者。
知的バカという存在ほど迷惑な存在はない。
下記のような兄ちゃんは俺の領域ではバカではない。
愛すべきただの小市民だ。
高卒で就職、一生懸命工場で働いて、
でもパチンコでお金を擦ってすってんてん、深夜はエロ本を読む
志賀直哉旧居。
ここのおじさんは親切で他人を色眼鏡で見ないので良かった。
当然のことだけどこういう当然なことをできる人は多くない。
俺の好きな短編「清兵衛と瓢箪」が
見事な瓢箪に記述されていたのは面白かった。
簡素で、でも色々揃って不自由しなくて。
尾道水道を見下ろした部屋がうらやましかった。
お昼は尾道グルメ。
行列のできるラーメン屋は大したことなかった上に
人擦れしたおばさんでいい気分がしなくて…。
カフェで口直しと気分転換。
俺は決してかわいくないけど何か惹きつける店員さんのいる店が好き。
尾道ギャルが外車の話ばかりをして自慢げなのがちょっと嫌だったけれど。
どうして日本人は何もかもブランド化するのが好きなんだろう。
自分がそれにふさわしいかどうかも考えずに。
(その2に続く)
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