鹿児島の田舎で車内泊しているとそこには他にも車内泊をする物好きな方々がいっぱいいて
少々旅の空気が流れていました。
キャンピングカーなんて便利だと思いますけど、僕は貧乏じゃないならば断然ホテルの方がいいと思います。
経済的に豊かでないという必要性から車内泊をすることがバカな若者っぽくて一番好きです。
だから素朴な若者カップルなんて勝手に仲間意識を抱きます。
朝からすっごくかわいい女の子を連れた男の子がいて羨ましいとかじゃなくて
この二人いいなぁとベストカップル賞を与えたい心地でしたね。

2日連続20度近くだったのですが指宿を越えた山中はまだまだ雪が残っていました。
鹿児島に雪というのは珍しいことです。
後で聞いた話では屋久島の平野部でも滅多にない積雪があったそうです。
朝っぱらから開聞岳
登山の格好も装備も全くせずにいきなり登山です。
彼女は低山も登ったことがないのに思いつきで登りたいと言い始め本当に登ることになりました。
僕も開聞岳自体は前々から興味があったので賛成しました。
山どころかアウトドアもできない格好なのに山に入るのは少々恥ずかしいものです。
完全装備をしたおじさん・おばさんに「キミたちバカだねー」と言った視線と
「せいぜい頑張れ」といった意味の言葉を投げかけられますから。
「山をなめんじゃねぇ!」といった心持ちなのでしょうか、
挨拶の無視や舌打ちをする輩までいました。
しかし僕に言わせてみればたかが数時間の登山に完全装備する人たちの方が変なのです。
1000メートルもない山で遭難するのを恐れるのもケガをしてしまうのも
心に油断があり、体に緊張感が足りないのであって、気の持ちようで全て防げるのです。
そして装備をきちんとしなければそれを防げない人間は精神的に弱いのです。
昔の人間は軽装で山に入ったものです。
最近の中高年の登山やトレッキングブーム、初心者なのに装備だけ整えたがる人間が嫌いです。

開聞岳は美しい。
登っていて感じました。
登山道が見事にぐるっと一周しながら頂上へ至るのです。
7合目くらいから積雪があり深いところは30センチくらいありました。
普通のスニーカーで岩場の雪をこなしていました。
すれ違ったおばさんに靴のことをバカにされましたが彼女なんかよりずっと早く歩けます。

頂上からは屋久島が見えました。
開聞岳に200回ちょっと登っているというマニアのおじさんが言うには
頂上から屋久島が見えるなんて数十回に一度しかないそうでかなり幸運らしかったです。

下りはすべってすべって楽しかったです、と書くと彼女に気の毒でした。
彼女は運動神経がよくないらしく、よくすべっていましたし、
雪まみれ、泥まみれになっていました。
勢いがつくと岩場から落ちるだけでなく、山から転落してしまうので笑って見てはいられませんでした。
下山すると頂上で会ったおじさんとお話になりました。
僕はなぜか電話が2件かかってきて、彼女に相手してもらってました。
おじさんと別れて知覧へ向かいました。
知覧は一度行ってみたかった。
特攻平和会館が目的です。
阿川弘之や島尾敏雄の骨太な戦争文学を読むと
やはりこういった場所に行かなければならない気がしてくるものです。
知覧は旧陸軍基地でしたので陸軍航空隊の展示がメインでした。
疾風、飛燕の実物展示もありました。
疾風も飛燕も戦闘機の名前です。
僕は太平洋戦争に登場した兵器や戦闘機を一時期まるまる暗記していましたので
年齢の割には理解が早かった方かと思います。
旧海軍のゼロ戦もありました。
詳しく言うと零式艦上戦闘機52型の改良バージョンでしたね。
逝かざるを得なかった人たちの魂をしのぶ空間でした。
戦争やそれに関する反省、平和を考えるなら教科書で学ぶのではなく
生き証人の話を聞くとか、こういった場所で魂のこもった遺書を読んでみるとか
どこか生の体験を感じてみることが重要でしょうね。
だから特に社会科ですが教科書検定がどうとかどちらでもいいようにしか思えません。
中国人とかアジア系外国人もいましたが彼らはどう感じたのでしょうか。

枕崎の寂しい街で温泉に入りました。
露天風呂からはここでも屋久島が見えました。
人々から発せられる鹿児島訛りはきついですね。
なんとなくの意味は分かりますが真似はできません。
生の「ごわす」を聞いた彼女ははしゃいでいました。

次の観光目的地まで距離があるので枕崎で日が暮れたというのに
一気に熊本県水俣市を過ぎるあたりまで走りました。
何度も書きますがクルマの運転って本当に楽です。

それから鹿児島県は本当にうまいものが多い。
鹿児島大好き。

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