就職したことで世間一般的には成長しているのは間違いない。
その分失われているものも確かにあるということに気付いた。
ただそこでこの生活を止めるわけにもいかない。
僕はまだこの職業とともに歩んでいく。
仕事上で悩むことは多い。
でもそれは小手先の技術の話であって
解答によっては生きるか死ぬかくらいに話が膨らむこともなく
長い学生生活の方がずっと人間的に成長する煩悶があった。
職業によって結果の分かりやすさ分かりにくさはあるとは思うが
資本主義社会は結果が分かりやすい、基本的に。
学生の煩悶とその克服よりも、営業マンの門前払いから契約成立への経過の方が分かりやすいのだ。
もっと悩んで苦しんで、を繰り返さなければ
僕は金を稼ぐだけの人間になってしまう。
そういう意味での仕事人間は御免だ。
もっと文化的で脳ミソを使う生活に戻ろうと決心した。
なんとか時間を作って。
今はとにかく電話の時間が長すぎる。
仕事の電話もプライベートの電話も。
くだらない時間が多すぎるんだ。
このままではカスで終わってしまうという危機感が湧いている。
僕が存在していても存在していなくても何もかも同じだった。
そんなことはあってはいけないのだ。
そのように暗い気持ちに炎を点し、自意識過剰に推進力を与えている。
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